「今の仕事、なんだか自分に合わない」
「でも、試用期間中だし好きに退職できるよね?」
あなたもこんな風に思われていないですか?
文字通り自分がその職場に馴染めるか判断する「お試し」の期間なわけですから、即日退職できそうですよね。
ですが、今後の転職やこれまで働いた分のお給料のことを考えて、「多分大丈夫でしょう」と安易に決断して辞めてしまうのはちょっと待ってください。
この記事では試用期間とはそもそも何なのかから、試用期間中の退職はあなたにとってどんな影響を及ぼすのか、詳しく説明します。
いまの試用期間中のあなたが「退職したい」といって即日退職してもOKなものなのか、しっかりわかるようになりますので、ぜひ最後までご覧下さい。
目次
試用期間中に退職するデメリットとメリット
試用期間中に退職するデメリットは転職に不利な点
試用期間中の退職は転職する際に不利になります。
試用期間であっても「雇用契約」は成立しているため、
職歴にカウントされないでしょ
と思われたら、それは間違いです。
短期間に自己都合で退職することになるため、「職歴が汚れる」結果となってしまいます。
この人短期間で会社を辞めて、あまり続かないんじゃないかな?と判断されてしまうのです。
また仮に次の転職の際にその職務経歴を記述しないでいると、「働いていない無職の期間」が発生してしまうことになります。
仕事もしないで何をしていたんだろう?と不信に思われますし、仕事への意欲を疑われかねません。
どちらも面接官からすれば、印象のいいものではありませんので、「次の会社へ就職する際にあなたにとって不利な経歴となる」というデメリットがあります。
試用期間中に退職するメリットはベストタイミング
試用期間という短い間で「自分にはこの職場はあわない」と感じたのであれば、辞めるのは早いに越したことはありません。
今が退職するタイミングです。
自覚した段階から悩んだり迷ったりして長く働いても、デメリットしか生まれません。
試用期間中に退職することのメリットには、
- 早く辞めた方が次の就職活動にあたって年齢的に有利になる
- ストレスを感じながら長期間働いて体を崩し次の就職に支障を来たさないで済む
といったものがあります。
ズルズルとタイミングを逃して働き続けて結局後々に退職・転職を決意しても、雇用側の求める年齢をオーバーしてしまったり、体調を崩して万全の状態で就活できなかったりするのは最悪です。
試用期間中に退職するかどうか検討することは、その会社での自分の将来像を考え、やっていけるかいけないか早めに決断し、新たなステップを踏み出すためにも重要です。
転職はあなたが本当に輝ける場所へステップアップする「チャンス」なので、辞める自分を責めたり、周囲の迷惑を考えて戸惑ったりする必要はないんです。
輝けない職場で長く出来ない仕事に翻弄されている方が、職場にとっても迷惑ですし、あなたにとっても価値ある人生とは言えません。
試用期間中に退職することは、建設的で計画的なポジティブな決断ともいえます。
退職したい!と感じている職場であればなおさら、試用期間中に退職してしまったほうがメリットが大きいと考えてよいでしょう。
メリット・デメリットを知った上で退職するか決めよう
メリット | デメリット |
・早く辞めた方が次の就活で有利 ・ストレスを感じて体調を崩さないで済む | ・職務経歴が汚れる |
退職すべきかどうかは、メリット・デメリットをよく検討し、自分の年齢やこれまでの職務経歴、これから挑戦したい転職分野なども加味した上で、判断するようにしましょう。
試用期間中に退職をするときの5つのステップ
筋を通し手順を踏んで退職することが重要で、「正式雇用ではないんだからテキトーでいいだろう」と構えているとトラブルに巻き込まれるので注意しましょう。
ステップ(1)上司に相談する
電話やメール、ラインではなく直接顔をあわせて「相談する」形で話を持ち掛けましょう。
事務的に「辞めたいので書類手続きお願いします」と伝えるのは、トラブルのもとですので避けましょう。
辞めさせてもらえて当然!という態度はいらぬ火種の元になりますので要注意です。
ステップ(2)退職届を作成
退職届は必ず作成・提出しましょう。
雇用に関わることなので、書面に記すことは重要で、後で何かあってもエビデンス(証拠)が残っていることがあなたを助けてくれます。
また退職届を提出することであなたの意思をよりはっきりさせることができます。
口で「辞めたい」という人はいくらでもいるので、書面を提出しないと場合によっては本気に取ってもらえないことがあります。
ステップ(3)退職日程を上司と相談して決める
急に退職はできません。
試用期間であっても雇用されている以上、あなたは業務の頭数に入っているので、無茶を言って心証を下げないようにしましょう。
もし体調を崩している、ストレスでこれ以上1日でも長く勤めるのはつらいという時には、病院の診断書などを持参しましょう。
話す時には、
「急に辞めることへの謝罪」
「短い期間ではあるがご指導いただいたことへの感謝」
「なるべく会社の迷惑にならないよう辞める日まで職務を全うする意思」
を伝えると、より円満に辞められるになります。
ステップ(4)社会保険や雇用保険に関わる手続き
社労士や人事の人、上司に確認しながら、必要な諸手続きを進めましょう。
諸手続きは次に転職する際に重要なことですので、「もう会社の人と関わりたくないから」と急に行くのを辞めて手続きが中途半端になるとあとから困ることになります。
ステップ(5)引継ぎを行う
試用期間中に自分が行っていた仕事を投げ出して辞めることは厳禁です。
しっかり引継ぎを行い、退職で迷惑をかけない姿勢もアピールしましょう。
これは社会人として当然のことです。
どんなに嫌な職場だったとしても、苦手な上司がいたとしても、やるべきことはやっておくようにしましょう。
退職後に何度も元の職場から引継ぎ不足で電話がかかってくるのも、あまり嬉しいものではありません。
試用期間中に円満退職できる辞める言い方
心証を下げずトラブルに発展しないよう、差しさわりなく退職を伝える時には、次の理由を退職の理由にあげることがオススメです。
- 自分の力が足りず、これ以上会社に迷惑をかけられないと感じたため。
- 親の介護をすることになり、勤務が難しくなったため。
- 病気でこれ以上の勤務が難しくなったため。
- 家の仕事(家業)を手伝うことになったため。
ポイントは、「会社が嫌で辞めるわけではない」「会社のせいで辞めるわけではない」ことを伝えるということです。
自分のどうしようもない理由から退職に踏み切ることを建前にして、もし本音が「ブラック企業だから」「人間関係が嫌」だったとしても、そこはグッと我慢して押さえましょう。
「あくまで自己都合によるもので、恐縮です」という姿勢でいることが、円満に退職するための最重要項目ですので、押さえておきましょう。
転職時に退職理由をポジティブな転職理由として伝えるコツ
転職時に「自己都合での退職歴」があると、必ずと言っていいほど「なぜ前の会社を辞められたのですか?」と退職理由を聞かれます。
試用期間中に退職している場合など、短期間での退職では一層聞かれる可能性が高くなります。
この質問は一見、自分のマイナス要因をさらけ出すことに見えますが、伝え方次第ではあなたの長所を印象付ける評価ポイントに変えることができます。
ポジティブな退職理由の伝え方のコツは「自分の退職理由を一度声に出す前に飲み込んで、退職の裏に隠れた前向き思考を探す」ことです。
難しく感じるかもしれませんが、次の例を読んでもらえれば難しくないことがわかります。
職場への通勤方法が苦痛で退職した場合:
→『以前は自宅から遠方の職場に勤めていましたが、長い通勤時間を、もっと有効に活用できるのではという考えが生まれました。自分は新たなことを学んだり、業務に活かせる資格を取得したりすることが好きです。通勤時間の短くすることで、もともと通勤に充てていた時間を業務に取り組む時間や、業務に活かせる資格取得に時間をあてたいと思ったため、退職を決意いたしました。』
職場の人間関係で悩んで辞めた場合:
→『以前の職場では、個人で仕事をし、行動することがメインでしたが。ですが、私自身は〇〇の経験(大学のサークルや社会人サークルなど)から、リーダーシップを発揮して意見を取りまとめたり、他の人と協力し合って成果を上げたりすることが得意です。そのため、自身の長所であり、より実力を発揮できる「チームで働き協力して目標を達成する」御社のような職場に貢献したいと思い、退職いたしました。』
物は言いよう、といってしまえばそれまでですが、前向きな姿勢は就活の場で非常に高評価に捉えられます。
前職の悪口を言うのではなく、自分を磨く、さらなる実力を発揮するための退職であることを強調しましょう。
試用期間中も要注意!起こりやすい3つのトラブル
使用期間中には次の3つのトラブルが多く報告されています。
自分にも起こり得るかもしれないトラブルであることを知り、それが不当なものであることを正しく理解しておきましょう。
(1)試用期間を許可なく延長された
特別な理由がない限り、試用期間を許可なく延長されることは法律的にも許されるものではありません。
社内規則や契約書に記載があるのかしっかり確認し、不当な対応である場合は会社の社労士に掛け合うか、「労働基準行政の相談窓口」に相談しましょう。
(2)給与が最低賃金よりも低い
もし給与が最低賃金よりも低い場合は、「最低賃金法 第四条」という法律にその会社が違反していることになります。
給与明細や通帳の入金額のコピーなどを持参して、「労働基準行政の相談窓口」に相談しましょう。
(3)雇用保険・社会保険に入れてくれない
長期間、雇用保険や社会保険に入れてもらえないまま働かされることは、例え試用期間中であっても、不当である場合があります。
雇用保険に入れてもらえる目安は、「2ヵ月以上の試用期間」「週20時間以上かつ31日以上の労働時間」ですので、条件を満たしているのに加入させてくれない場合は労働基準監督署に相談しましょう、
また社会保険に関しても、「週20時間以上の労働時間」「月の収入が88,000円を超える」「1年以上の雇用」の3つの条件を満たす場合は加入させることが義務付けられています。
もし加入させてもらえない場合は、社会保険の場合は「年金事務所」に相談しましょう。
円満退社と計画的な退職で次の転職を成功させよう
試用期間中なら好きにいつでも仕事を辞められて、職歴としてもカウントされないと思う人も多いです。
しかし、実際は雇用された時点で雇用契約が結ばれており、身勝手な退職は認められません。
試用期間中に退職しても職歴は汚れてしまいますので、場合によっては転職時に不利になることもあります。
ただし、試用期間中に退職することはメリットの方が大きいです。
早く見切りをつけ年齢の若いうちに転職した方は次が見つかりやすいですし、ストレスのかかる職場にいつかは辞めようと思いながら居続けることで結果体調を崩して転職に支障が出ます。
試用期間中の退職も、ポジティブな理由を考えればあなたの自己PRの1つにもできますので、恐れることはありません。
もし試用期間中に退職したいと思ったら、このページでお伝えした手順やトラブルを確認して、円満に退職することで、次の転職先であなたの実力を発揮し、活躍することができます。
転職にあたっては、記事でご紹介している転職エージェントへ登録することで、スムーズに自分が最も活躍できる場を見つけることができるのでオススメです。
最後まで読んでいただいたあなたには、あなたにあった1番の職場で楽しく働ける退職と転職の道が開いています。
ぜひ参考にし、実践して、あなたの活躍できる最良の職場で、楽しく働いて、あなたの人生を謳歌してください。
この記事が試用期間中に退職したい、と考えているあなたの役に立てば幸いです。